知・情・意・体の調和を備えた人を育てたい生徒像や理想を「建学の精神」「校名」「校章」に謳っています。
北嶺の教育の根幹は、文武両道で心豊かな人間を形成するところに置かれています。
私たちは設立当初から、少数精鋭で「高い嶺を目指す」男子の進学校を作ろうと考えてきました。しかし、身体的・人間的な側面が欠落した青年を育てないためにも、私たちは“全人教育”を掲げ、知(知識)・情(感情)・意(意志)・体(身体)すべてのバランスがとれた青年を育て、かれらの将来に役立つことを目標としています。
そのため本校では、身体と心を育てる意味で“ふたつの校技”として柔道とラグビーを重要視し、入学時から授業に取り入れています。また、心豊かな人間形成のために登山及び、海外への修学旅行を行うとともに青雲寮を設けています。登山は、1年生から5年生まで行われますが、一歩一歩着実に進むことで頂上に到達する持久力や忍耐力などを育んでいます。また、修学旅行では、言葉や国を超えた視座を持ち国際化時代に羽ばたく一助となっています。青雲寮は、北嶺での6年間を仲間と寝食をともにしながら励ましあい支え合って大きく成長する大切な機会となっています。
私たちは北嶺校の理想とする高い知力、未来への洞察力、真理への直感カなどを培うため、日夜まい進し、あわせてその基礎である体力や、気力を養うことに全力を注ぎます。
学ぶということは、自分個人のことにとどまらず、社会や人類全体に利益をもたらす営みであることをわきまえるとともに、努力の大切さや高い目標に向かって努力することの尊さを重んじ、また、将来よき社会人としてその一角をになっていく覚悟を、今から養うことに心がけます。
そのため、なにごとも自己中心の判断でよしとせず、両親、家族、先生方、あるいは友人たちなど、他人とのかかわりのなかで、無理やかたよりのない、人間としての条理をわきまえた若人として、力強く成長していくことを心から誓います。
願わくは 未来を創造するにたる英知と、自ら開拓してゆく若人を育てたい
願わくは 己を愛し、他をもいっそう敬愛する礼節をわきまえた若人を育てたい
願わくは 風雪にめげぬ強靱な身体と、不屈の精神を具えた若人を育てたい
願わくは 道理を求め美を愛し、人間である条理を自覚した若人を育てたい
ロビーにかけられた「北嶺の四季」。田辺隆吉先生によって製作されたこのレリーフには、北嶺をとりまく四季の花々の他に、架空の花と実が描かれています。
ひとりひとりが卒業するまでに花を朕かし、実を結んでいってほしいという思いがこめられています。
「北嶺」の「北」は学校の所在する位置、日本の北を表し、「嶺」は本校に学ぶ生徒に求められる理想像を象徴化しています。
「ペン」(勉学・学問を象徴したもの)をもって「人」をデザインし、勉学・学問を通して「人」を養育する建学の精神を基調にしています。
背後の六角形は六ヶ年教育、円は円満な人間性を意味し「六ヶ年教育を行い、勉学を通して円満な人間性を育成する」ことを表しています。その他に、「北」の字がデザイン化されてつけられています。